労災の事故というと、製造業や建設業などの関係者にとっては取り扱うことが多いかと思いますが、そうでない業種の方にとってはあまりなじみがないのではないかと思います。

そこで、今回は、業務上の災害で病院などにかかるときの話をしたいと思います。

労災で治療する病院や薬の調剤をする薬局は、健康保険が効く病院や薬局と必ずしも同一とは限りません。
そのため、一刻を争う場合でなければ、かかろうとしている病院や薬局が労災を扱っているかは確認をしておいたほうがよいでしょう。

労災を扱っている病院や薬局であれば、業務災害に遭った労働者は無料で治療や薬の調剤を受けることができます。
その後で、療養補償給付の請求書に必要事項を記入し、事業主の証明をもらった上でかかった病院や薬局に請求書を提出することになります。
そのため、治療は病院で、薬の調剤は薬局で受けた場合には、請求書をそれぞれに提出する必要があります。

万が一緊急を要する事態でかかった病院や薬局が労災を取り扱っていない場合は、いったん費用を病院や薬局に全額支払う必要がありますが、その場合は、療養の費用の請求書を所轄の労働基準監督署に提出することによって支払った費用を全額払い戻してもらうことができます。

労災事故があまり起こらない業種の場合、起きた時にどうしようか戸惑う場合もあるかもしれませんが、そのような場合は、社会保険労務士に確認するなり、労働基準監督署に確認するなりして、あわてずに処理するようにしてください。