日本の医療保険制度では、原則的にお勤めの方は、健康保険や共済組合という被用者医療保険制度に入ります。
そして、退職した場合には地域の国民健康保険に入る方が多いと思います。
しかし、2か月以上継続して健康保険に加入していれば、退職した後も2年間は任意継続被保険者として、退職した時に加入していた健康保険に引き続き入ることができます。
被用者医療保険制度のメリットの一つとして、追加の保険料なしで被扶養者を入れられるというのがあります。
(国民健康保険の場合は、被扶養者という考え方がないので、世帯全員に保険料がかかります。)
また、全国健康保険協会の任意継続被保険者であれば、在職時の最後の標準報酬月額が28万円以上の場合は、任意継続被保険者として保険料を計算するうえでの標準報酬月額は28万円となります。
(在職時の最後の標準報酬月額が28万円を下回っている場合は、最後の標準報酬月額をそのまま使用します。)
ただし、任意継続被保険者となるためにはいくつか注意点があります。
- 退職してから20日以内に協会もしくは健康保険組合に申し出る
- 保険料は、在職時に会社が負担していた分も併せて自分で全額負担する
- 毎月の保険料は、その月の10日までに納めなければならず、一度でも納付しそこなうと、その時点で任意継続被保険者の立場を失う
- 一度任意継続被保険者の立場を失うと、再び任意継続被保険者になることができない
特に会社を辞めて起業するような場合、いきなり会社を作るのでなければ健康保険には入れないので、任意継続被保険者を選択肢として考えてもよいのではないかと思います。